カシアのオーナー サカグチ マコトです③
前回からのつづき
【眠れる美容室カシア】のコンセプトの芯が入り再スタートしたカシアですが・・・・
スタッフも、そろい順調順調と思えていたのですが、僕のふがいなさが原因でスタッフを一つにまとめることができずにスタッフが辞めていくことが続きました。
なぜなら僕がスタッフにたいして気を使いすぎて注意や指導ができなかったからです。
勤めてた時の自分と変わっていない(人を育てるのがわからない)平たく言うとまだ指導者になれていなかったのです。
気持ちだけが前のめりでぜんぜん、うまくいかなかった。
その時に自分を育ててくれた先輩やオーナーの気持ちがやっとわかりました。
自分のお店なのにお店に行きたくない日が続きました。
でも、止まるわけにはいかないから少しづつでも前進前進の気持ちで自分を奮い起こして
自分の理想のお店をイメージしながら、頑張っておりました。
一人抜け、一人入ってきて、また一人抜けて・・・・
そんな時でも、ありがたいことに新しくスタッフは途切れることなく入ってきてくれて
その都度いろいろな人間の勉強をさせてもらいました。
そうしているうちに、なんとなく辞めるというスタッフがいなくなり
結婚、子育てが理由で、仕事を離れるスタッフが多くなってきました。
この時に将来は子育てしながら、自分のペースで仕事ができる職場ではなく・・・・場所が必要だと思いました。
そしてめでたいことと同時に、今は順調にリクルーティングできているけどスタッフが全員いなくなったら
セット面がいっぱいあるような大きな、お店なんかいらないよなぁと思いました。
男の子を雇うにしても、いつかは自分のように将来お店を持つだろうし、女の子にしても結婚して子供ができれば
カシアを離れる日がやってくるだろうし・・・・・・
僕たち夫婦には子供もいないから順当にいけば、僕の代でカシアは終了
それであれば、後悔のないように自分がやりたいようにできるお腹いっぱいのお店を作りたいと思うようになってきたのもこの頃です。
そんな時です。ミズキ先生が雇ってくださいとやってきました(カシアでは売り上げが大台にのったら名前の下に先生が付きます)
ミズキ先生は僕が育ったシゲルに勤めていたのですが、諸事情により退社することになったらしくカシアで働きたいということでやってきました。
ミズキ先生は今もスリムですが、その当時は病的な細さで、この子大丈夫かな?美容師やっていけるのかなと思いました。
シゲルでの話を聞くと夜遅くまでミーティングや練習があり疲れ果てて、ご飯も食べずに寝てしまうことが多く
毎朝レッドブルだけ飲んで仕事に行っていたらしく・・・・
そんなミズキ先生を見たときに、大阪時代の自分と重なりました。
自分がシゲルカットクラブに拾ってもらったように今度はミズキ先生をカシアで育てようと思いました。
まず、大型店で働いていた人に良くありがちですが忙しくて、ごはんが食べれない問題(これは僕から言わすと段取りが悪いか、キャパオーバーの予約をお店が取っている)
そこからミズキ先生を、まず太らせて体力をつけることから始めました。
美容の仕事は体力が必要です。
まずは増量させるために、ロッカーの中にお菓子を入れて忙しい時でもちゃんと食べているか確認。
食べていないと僕に注意される徹底ぶりのおかげで、はま寿司にいって僕と張り合えるぐらいにまで食べれるように成長しました。
増量も成功して体力も付いたところでやっとカットテクニックを教えていきました。
ハサミの持ち方からコームの持ち方、使い方まで事細かく教えていたのですが、
ひとつ疑問が・・・・・・
この子なんて不器用なんだろう・・・・・
ちゃんと教えても、次の日には自己流になっているし
返事はしっかりするけど、ぜんぜん理解できていない(汗)
こりゃ参ったな(汗)
以前いたスタッフのMIYAKOを筆頭にHIRONOBU、MAIMI、CHIHOは
一回、教えたらほぼほぼ、できる感じだったのでどうしたらいいのか?
全くわからない(汗)
そんな時に、大阪や!大阪時代の自分と一緒や
まず、美容の仕事がそもそも面白くないんじゃないのかな?
まずはそこからやな!
そして取り組んだのが、ミズキ先生を指名してくれるお客様を作ろうと思いました。
カットはまだ無理だけど、ヘッドスパやシャンプーであれば指名がもらえるから、カシアのシャンプーとスパを徹底的に教えました。
PS 実はスタイリストになっても、いまだに抜き打ちでシャンプー・ヘッドスパのチェックを全スタッフにします。そこでふざけたシャンプーをしようもんなら始末書を書かせる勢いです。
そうやってコツコツやっていくうちに、一人、二人とミズキ先生を指名してくれるお客様が増えてきて、スタイリストデビューしたらミズキちゃんでおねがいします!という僕のお客様も多数出てきました。
いやぁ、正直ほんとにうれしかったです。
その日は、行きつけのキッチンやどかりでメガハイボール6杯飲んでたらしいです(やどかり店主が言ってました)
そのころかな?
僕も人のために一生懸命になれることに気づいたのは
そしてその頃からミズキ先生も変わってきました(笑)
いぜんは顔色もよくなく体調もわるそう・・・声も小さく覇気がない・・・朝はテンション低めで挨拶の声も小さい
それが今は、後輩も2人いる先輩スタイリストって!
あの頃のことを思うと、すぐやめてくんだろうなぁと思ってましたが、わからないものですよね。
その時に気づきました。
【働きやすさより、働きがい】
福利厚生や給料、休みが多くても【働きがい】がなければ仕事って面白くないですよね。
ただ生きていくだけなら美容師じゃなくても、なんでも仕事はありますから
人の役に立つ、人に必要とされる
どんな仕事でもそこがなければ、ただの労働でしかない
ただ、美容師の場合お客様に必要とされるには?
お悩み事や、お困りごとを解消しなければ、お客様の役にはたてませんから
僕自身もまだまだ修行中です。
技術職の人に終わりはないです。
そして、2,011年に旧カシアをオープンしてから5年が経ち
もっとカシアのこだわりやコンセプトに合うサロンを一から作りたいと思い
なんでもできる大きな土地探しから始まりました!
その時は突然やってきました!
ハルナが宇田ミートの横に大きな土地あるよ!
ああ、あるなぁぐらいに思っていたのですが見に行ったら気に入ってしまって・・・
当時よく行っていた、居酒屋志季のおかみさんに、あそこの土地って誰の持ち物かわかる?
って聞いてみたら、たまたま、おかみさんの連れ合いの人の持ち物でした。
そこからとんとん拍子に話が進んでいきまして、
今のカシアに移転する運びになりました。
続く