脂肪が生殖能力を伝えている
女性が大人になったサインの1つに初潮があげられます。
この初潮を起こす合図を送っているのは実は、脂肪細胞なのです。
女の子は思春期を迎えると、体に変化が現れます。
ボディーラインが丸みを帯び、胸や腰、お腹に脂肪がついてきます。
この脂肪が一定量に達すると、子供が産める体になった証拠です。
(もう初潮が訪れても大丈夫)という連絡を脳に届けるのは、以前にも紹介したレプチンです。
レプチンから送られた信号により、脳が各器官に指令を出します。
そして、女性ホルモンが大量に分泌され、生理がスタートするというわけです。
女性にとって皮下脂肪の量は、出産に堪えられる身体であるかどうかのバロメーターのようなものです。
一定の脂肪量が蓄えられていれば、安定した生理が続き、いつでも出産できる状態でいられるのです。
ところが無理なダイエットをして急激に痩せたために、生理が止まってしまう事があります。
これは脂肪の量が減ってしまい、出産に堪えられない状態になってしまったと判断したレプチンが、今度は脳に(今は出産に堪えられないよ、脂肪が足りないよ)という信号を送り、それを受けた脳が生殖機能をストップさせてしまうのです。
無理をして子供を産むよりも、生命を維持することを選ぶのは生き残るための大切な機能なのですが、女性としては非常にショックも大きい事でしょう。
またこのような状態になった時は、身体の代謝も落ち込んだ状態になっていて、ホルモンバランスも崩れています。
冷え性や、肩こり、イライラや体調不良、憂鬱などに悩まされることも少なくありません。
一度バランスの崩れたホルモンや体の状態を戻すのは時間を要します。
また、拒食症や過食症などの摂食障害に陥って、生理が止まってしまうケースも、同じくレプチンの信号によるものです。
ダイエットがその引き金だったとしても、摂食障害に陥ってしまった場合は、専門家による心理面のケアや、回復のためのリハビリが必要となります。
また、摂食障害に陥った患者は、自分が異常な状態であるという事に気づきにくく、発見も遅れてしまう事もあります。
極度の栄養失調は脳を萎縮させ、運動機能を失うこともあり、非常に危険です。
あなたの家族や大切な人、友人たちが無理なダイエットを続け、痩せすぎている状態であるなら、一度、専門家の元を訪ねることを勧めてみてください。
そして、過度のダイエットは、百害あって一利なし、そう心得ましょう。
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