皮下脂肪を落とすには?
皮下脂肪は女性の方が多く蓄えている脂肪で、いったんつくと落ちにくい性質があります。
一方、男性に増えやすい内臓脂肪は、健康に悪影響をもたらすものの、わりと簡単に落ちる性質を持っているのです。
つまり、皮下脂肪は(定期貯金)に例えることが出来ます。
なかなか下すことができず、いったん貯まると減りにくいのが特徴です。
一方、内脂肪は(普通貯金)のようなもの。
いつでも簡単に出し入れすることができ、これは貯まりやすく、減りやすいのが特徴です。
持久力を必要とするマラソンや水泳などの運動を例に説明しましょう。
ます、運動をはじめた時に最初に使われるのは、筋肉の中に貯められたATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーの源となる物質です。
これは、短期間でエネルギーを生み出すことが出来ます。
陸上の短距離選手や水泳選手の筋肉が豊かなのは、爆発的なエネルギーを生み出し、スピードを出す必要があるからです。
しかし筋肉に溜められているエネルギー量には限界があります。
たとえば、100m~200mも走ればすぐエネルギー切れになってしまうのです。
そこで、次に使われるのは肝臓にストックされたエネルギー、グリコーゲンです。
マラソン選手などが走る前にバナナを食べるのは、バナナは食べてからすぐにエネルギーになるため、グリコーゲンが使われるのを遅くしてくれるからです。
しかし肝臓に溜められるグリコーゲンは数十gほど。
これは、ちょっと汗をかけばすぐになくなってしまう量です。
グリコーゲンを消費してしまった後に使われるのが内臓の近くにストックされたエネルギーです。
これは、筋肉や肝臓に溜められたエネルギーがなくなった時にすぐ取り出せるように内臓の近くでスタンバイしているエネルギーです。
これが内臓脂肪なのです。
この内臓脂肪の残りが少なくなってから、やっと、最後に使われるのが皮下脂肪のエネルギーなのです。
そう、なかなか減らないのはそのためです。
女性の皮下脂肪がなかなか使われないのは、いざ妊娠・出産・子育てという時のためにたくさんのエネルギーをストックしておく必要があるからだといわれています。
つまり定期貯金や保険のようなものなのです。
滅多な事では使われることのないよう、体の中心部から離れたおなかやおしり、太ももなどに保存されているわけです。
もしも今、あなたやあなたの家族が、メタボリックシンドロームに悩まされていたとしても、普段からエネルギー収支がマイナスになるような生活さえしていれば、思ったよりも簡単に、増えすぎた脂肪を減らしていく事が出来ます。
体重の5%程度を3~4か月かけてゆっくり落としていくのが理想のペース。
それだけでも脂肪は着実に減っていきます。